EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

白魔は立ったまま小鳥に向き直ると、持っていたグラスを自分の顔の近くまで掲げる。

「小鳥!君を僕達の仲間、闇人として歓迎するよ。黄泉帰り、おめでとう。君の素晴らしい死と生命に、乾杯!」

それから、口々に乾杯の声が上がった。

小鳥も小声で乾杯と言ってからグラスに口をつける。

ゴクンと一口飲んで、小鳥は驚いた。

「……っ、これ、すごくおいしい……!」

「でしょ!まだあるから、遠慮なくどんどん飲んでいいよ。じゃないとカロンの胃袋にもってかれる!」

「おー、ルカ呼んだか?」

「呼んでないし!」

血液泥棒を決め込まれる前にシッシとカロンを追い払う。

結局小鳥以外の六人は椅子に座ることなく立ったままだ。

「さて、乾杯もしたことだし、もうプレゼント渡してもいいよね」

グラスを飲み干した白魔がそれをテーブルに置き、小鳥に微笑みかけた。

「プレゼント……?」

そんなものが貰えるなんて聞いていない。

小鳥は目をパチクリさせる。

「はい、どうぞ」

どこに隠し持っていたのか、白魔が手の平サイズの装飾が綺麗な小箱を小鳥に差し出した。

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