EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「オルゴールだよ。この独特の旋律はね、闇人にとっての癒やしの響きなんだ。人間にもあるでしょ?ヒーリング・ミュージックってやつ」

「不思議なメロディーですね。聴いたことないはずなのに、どこか、懐かしいような……」

「フフッ、疲れた時に聴くと良いよ。あと、恋人と喧嘩した時、一人で眠る柩の中でとか」

からかうためか、妖しく微笑む白魔が静理をチラリと見遣る。

静理はツンとそっぽを向いた。

「小動物、ほい。俺からのプレゼントな」

オルゴールがゆっくりと止まる頃、今度はカロンが近づいてきた。

そしてソファーを陣取るぬいぐるみの中から選んだ大きくて存在感のあるアルパカをズイと小鳥に差し出す。

「カロンさん、これ……前にカロンさんが欲しがってたアルパカさんじゃ……?」

見覚えがあった。

カロンと一緒に理王の店へ行った後、雑貨屋で見かけたアルパカ軍団の一匹だ。

「そうそう。あんたの欲しいもんなんてわかんねぇから、俺がもらって嬉しいもんにした。ちなみに俺の分も買ったから、おそろな」

「ありがとうございますっ」

オルゴールを手に持ったまま、アルパカをギュッと抱き締める。

抱き枕なだけに触り心地は抜群だ。

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