EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「あんたさ、そんなヤバそうな薬使うよりこれ噛み噛みしてた方が子供っぽくて可愛いと思うぜ?」

「ウザいカロン。可愛くなくていいし」

「えー。でもフェオもそう思うよな?」

「……確かに。噛んでいた方が可愛い」

「うっ」

唯一尊敬する兄に可愛いと言われ気分は複雑だ。

フェオドールが望むなら噛まないこともないが、やっぱり子供っぽい姿は晒したくない。

「ところでさ、オーレリアンもプレゼント用意したの?」

ルカに問われ、末っ子はフンと不機嫌そうなしかめっ面をした。

そしてスッと小鳥の前に何かを差し出す。

「……やる」

それは白魔のオルゴールと同じくらいの大きさの白い容器だった。

一見すると化粧品の類いに思える。

受け取った小鳥が容器を眺めていると、オーレリアンが中身を説明してくれた。

「それ、太陽光線対策クリーム。闇人は太陽の光に肌を焼かれるけど、それを塗っとけば悲惨なことにはならない。お前って馬鹿でドジで危なっかしいから、うっかり人間の時の感覚で地上に出ないようにしろよ。もし地上に行くことがあったら、これ見て思い出せ。自分の体のこと」

まさかの気遣いに小鳥は目を丸くする。

失礼だが、オーレリアンに体を心配されるとは思ってもいなかった。

優しさが嬉しくて小鳥は笑顔を返す。

「ありがとうございます!気をつけますね」

「まあ、別にお前がどうなろうと僕はどうでもいいんだけど……」

「おい、そこは素直になれよ」

すかさずカロンからツッコミが入った。

ちょっぴり照れていたオーレリアンがカロンを睨んで小さく舌打ちをする。

けれどそれも一瞬のことで、すぐ小鳥に視線を戻した。

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