EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「あ、そうだ。伝えておこうと思ってたことがあるんだ。もうお前は僕達の仲間になったんだから、メスブタでも家畜でもなくなる。だから、これからはお前のこと小鳥って呼ぶから」
「えっ!?」
「何そのブサイクな間抜け面。なんなら元メスブタ、元家畜って呼んでやろうか」
「い、いえいえ!是非、名前で!お願いします!」
喜んでお願いする小鳥に苦笑しつつ、オーレリアンが皮肉のない穏やか微笑を浮かべる。
「わかった、小鳥」
「っ!?」
不意打ちで呼ばれて小鳥は赤面した。
(ど、どうしちゃったのかな!?オーレリアンさんが、いつもより優しいような……!)
まさか天変地異の前触れか。
いきなり世界の崩壊が起こっても今なら納得してしまいそうだ。
オーレリアンのせいだと。
「なんかオーレリアンにイイとこ持ってかれてない?ほらフェオ、頑張れ!」
そう言って隣にいる兄を肘でつつくルカ。
小鳥とオーレリアンの様子を微笑ましく眺めていたフェオドールはハッと我に返った。
「……マドモアゼル、俺からはこれを」
小さなガラスのビンが小鳥の手に渡される。
中身は透明な液体だ。