EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「ありがとうございます、フェオさん。これは……香水、ですか?」
「似ているが、少し違う。それは臭い消しだ。肌につけると体に染み付いた血生臭さを消す効果がある。自分が気になった時に使うといい。……食後とか」
ザックリ過ぎる弟の説明に白魔が呆れ、代わりにもう少し付け加える。
「普通の香水だと血の香りまで消えないんだよね。お気に入りの香水を楽しみたい時はそれを使ってからがオススメだけど……」
香水をプレゼントした時、静理に邪魔されたのを思い出したのか、白魔は意味深に微笑んだ。
「まあ、君の場合は、余計なお世話ってことになるのかな?」
「そんなことないですよ。教えて下さってありがとうございます、白魔さん」
余計なお世話の意味に気づいていない小鳥が無邪気に笑う。
静理は白魔をひと睨みしてから小鳥との間に割って入った。
「俺が最後になってしまったね。はい、小鳥ちゃん。俺からのプレゼント」
爽やかな笑みを浮かべ、包装されたプレゼントを渡す静理。
可愛らしいピンクのリボンで飾られたその包みを受け取り、小鳥はリボンと同じ色に頬を染めた。
「ありがとうございます……開けて、いいですか?」
「もちろん」