EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
リボンを解いてガサガサと包みを開く。
すると桜をモチーフにした可愛らしいピンク色のグラスが一つ、現れた。
(これって、もしかして……)
グラスをプレゼントされた意味を何となく察した小鳥。
すぐに静理本人からも気持ちを聞くことができた。
「三日に一回の約束はちゃんと守るつもりだけれど、やっぱりなんか悔しくてね。せめて俺が選んだグラスを使ってもらえないかなと……」
(やっぱり!)
子供じみた独占欲だと自覚しているため、静理は照れながら少し控えめに「お願い」をした。
小鳥はふわりと微笑んで大きく頷く。
「はい!嬉しいです!大事に使いますっ」
言葉の通り、嬉しそうな小鳥。
そんな彼女と桜のグラスを眺めながら、ルカがボンヤリと呟く。
「桜かぁ……。あ、小鳥の苗字って櫻井だよね?だから桜にしたの?」
「いや、そういうわけじゃないよ。単純に、小鳥ちゃんには桜が似合うかなって……思ってしまって」
「ほー。静理の中の小動物のイメージ、か」
「なら今度は鳥のグラスでも贈れば?名前と苗字が揃うじゃん」
オーレリアンが少し皮肉っぽくそう言った時だった。
突然居間の扉がバンッと音を立てて開かれ、何者かが元気良く入ってきた。
「ただいま息子達!!そして小鳥ちゃん!!」
姿を見ずとも声を聞いただけでわかる。
やって来たのは、ジェラルドだった。