EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「百年後になるか、二百年後になるか……いつかは全く予測できないのだが……その時が来たら真っ先に君に報告しよう。本当に申し訳なかった。これで許してくれるとは思っていないよ。だが、私が君のためにしてあげられることは実際のところ、このくらいしかないだろう」
「いえ、そんなことないです……!話して下さって、ありがとうございます。そんな研究をなさってるなんて知りませんでした」
「俺も、知らなかった。何か裏でコソコソやってることはわかっていたけれど……」
「言ってなかったからね、知らないのも当たり前だよ。これは仕事というより私の趣味に近いものだし。ああでも、マリアンヌと知り合ったのはこの研究がきっかけだったなぁ。彼女も実験や研究が大好きでね、マリアンヌにだけは私の研究のことも話したよ。手伝ってもくれた。けれど彼女もフェオやルカ達に話してはいないだろう。私達二人の秘密にしていたからね。どうだい?愛し合う男女の間に共犯者のようなスリルある二人だけの秘密が存在するなんて最高のスパイスだと思うのだが、君達には共有している秘密とかあるのかな?」
ご機嫌な笑顔で父親の顔をしたジェラルドが、静理と小鳥を交互に見遣る。
その様子に静理は呆れた。
「無理矢理話題を恋愛方面に変えないで下さい」
「おや、無理矢理だったかい?マリアンヌのことを思い出したら自然と話がそっちに向かってしまったよ」