EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「こら、逃げないで」
寝起きといえども、静理に勝てるわけがない。
素早く腰を抱え込まれ、そのまま押し倒されるようにのしかかられる。
見上げる小鳥の視界は静理でいっぱいになった。
「あの……静理さん……服を、着たいです」
「服……?まだ、ダメ」
囁きと共に小鳥の唇を奪う。
こういう状況ではやはり静理の方がグイグイ来るのだな、と呑気に考えている暇は小鳥にはない。
「静理、さん……!」
「嫌がるいけない子には、お仕置きが必要かい?」
静理の唇が小鳥の首筋に移動した。
本気で牙を立てることなく、静理が小鳥の肌を噛んでいく。
(っ……チクッとして痛いけど、嫌じゃないのは静理さんだから、かな?)
もっと強く噛んでくれてもいいのにとさえ思ってしまう。
キスマークのようなそれが、心地好い。
小鳥が静理の牙に甘く震えていると、唐突にコンコンと遠慮のないノックの音が響いた。
二人してチラリと部屋のドアを見遣る。
するとジェラルドの声がドア越しに聞こえた。