EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
(ここでの人間の命はすごく軽い。わかってはいたど、やっぱり平然とは受け入れられないよ…)
これに慣れてしまったその時は、きっと自分のどこかが壊れた時だ。
けれど、憎しみにも悲しみにも全て蓋をして、そっとしておこう。
ここで生きていくと決めたならばーー。
ガチャリ。
不意に扉の開く音がして、居間へ誰かが入って来た。
「あ、静理。丁度良いタイミングだね」
白魔の言葉から静理だとわかり、小鳥が彼の方を見る。
「静理さん!?その血は…!?」
見て、ビックリ。
静理の白いシャツには大量の赤がベッタリと付着していた。
「お前、やり過ぎ。死んだらどうしてくれるわけ?ペットにしかなれないCの死体なんて邪魔なだけなんだけど」
「ああ…すまないね。そうなったらちゃんとダストボックスに入れておくよ」
疲れた様子の静理は小鳥の声だけ無視してドサリとソファーに座った。
そんな弟に白魔がゆっくりと近寄る。
「今躾てる子、反抗的なんだ?」
「そうだね…。傷つけた分だけ怒りと憎しみを増幅させるタイプみたいだよ。厄介だ…」