EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「小鳥ちゃん、君に荷物だって。はい、これ」

「荷物……?なんだろう……?」

首を傾げつつ段ボールをよく見ると、なんと差出人の名前が「枢戯理王」となっている。

「あっ!!」

「ん?」

もしかしてと思い、段ボールを開けてみると、そこには小鳥の予想通りのものが入っていた。

「やっぱり……!メイド服!」

「え……?」

「理王さんのお店でつくってもらったんです!」

「なっ……!ああ、そうか。そう言えばカロンと一緒に行ったんだったね」

「はい。その時、理王さんが何か服を贈りたいと言って下さって、静理さんが好きそうな服にしてもらったんです」

「……ちょっと待って。それで、メイド服……?」

「はい!理王さんが言ってました。静理さんのメイド服に対する反応が一番良かったって」

「……そうかい。なるほど」

悪気ゼロのニコニコ笑顔で嬉しげに語る小鳥とは反対に、静理は自分の知らぬところで他人に言いづらい趣味をバラされていたことに苛立ち、黒い笑みを浮かべる。


(小鳥ちゃんに罪はない。わかっているけれど……)


なぜだろうか。

無性にイジメたくなった。

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