EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】


 さて、静理と恋人になり、キス以上のお付き合いをするようになってから数日。

この日はブラッディーボトルデーなので小鳥はキッチンにいた。

テーブルには静理から貰った桜のグラス。

それにボトルの中身を注ぐのは静理だ。

自らの血を与えなくとも、彼は側にいる。

そして何かと小鳥の世話を焼きたがる。

「小鳥ちゃん、今度休みを取るから一緒に出掛けないかい?」

「お出掛け?行きたいです!」

小鳥は静理からグラスを受け取りながら破顔した。

人間居住区へ買い出しに行かずとも良くなった今、あまり外に出るチャンスがないのでお誘いは素直に嬉しい。

「どこに行きますか?」

「買い物をしたいんだ。俺も君に、服を贈りたくてね。まだあのメイド服は一度も着ていない?」

「は、はい」

メイド服にキスしていた静理を思い出して小鳥の頬が熱くなる。

必ず押し倒すと宣言され、なかなか着れずにいるのだった。

「なら俺が贈る服を先に着て。それで、俺に見せて」

静理に見られる。

脱げと言われているわけでもないのに、考えるとなぜか妙に恥ずかしくなってくる。

小鳥は照れながら小さく頷いた。

「ちなみに、デートだからね」

「っ!?」

静理と二人で出掛けるとは、そういうことだ。

自覚した小鳥は心の中で叫んだ。


(デート!!)


恋人との初デートである。

自然と小鳥の頬は緩んだ。



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