EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
そして、その約束のデートがどうなったかと言うと、結局のところアパレルショップ巡りとなった。
もちろん理王の店以外の服屋であることは言うまでもない。
「こっちのスカートにこれを合わせて……いや、この色だと小鳥ちゃんには地味過ぎるか。もっと明るい方が……」
商品を手に取り、真剣な顔をする静理。
普段、自分の服は直感で選ぶことが多い静理だが、可愛い彼女のためとなるとメチャクチャ考える。
「静理さん、着てみましたよ」
試着のため着替えていた小鳥が試着室のカーテンを開けた。
今日はもうこれで何度目の試着だろうか。
他の店との合計で二十回を超えた辺りから小鳥は数えるのを諦めた。
今着ているものは、小鳥の雰囲気に合った柔らかな色合いのワンピースだ。
「うん、やっぱりそれも似合うね。迷ってしまうな……。小鳥ちゃん、次はこれとこれの試着をお願いできるかな」
追加を渡され、小鳥は少し前から言おうと思っていた言葉をとうとう口にした。
「静理さん、もう……その……十分ですよ?さっきのお店で買ってもらったものもありますし……」