EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
他の店で既に何着か購入済みなのだが、違う服屋に入る度、静理のよくわからないスイッチがカチッと入って小鳥はあれよあれよという間に着せ替え人形と化しているのだった。
「いやでも、まだ君に似合いそうな……いや、待ってくれ。今更気づいたよ。切りが無いという可能性に」
やっとか。
小鳥はちょっぴりホッとした。
「小鳥ちゃんはどれも似合ってしまうから数を絞るのが難しいな。いっその事、店ごと買いたくなってくるよ」
「流石にそれはやめて下さい!」
「フフッ、今度のデートでは今日買った服に似合うアクセサリーを選んであげたいな」
次を想像して楽しそうに笑う。
そんな静理を見て小鳥が幸せを感じていると。
(あっ……そう言えば、静理さんは……)
ふと目に入った静理の耳元。
そこには彼がいつもつけている小さな赤がキラリと光っている。
「静理さんはピアス、してますよね」
「ん?ああ、そうだね。あまりアクセサリーは身につけない方なんだけれど、これは常にしてるかな」
「特別なものなんですか?」