EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「え?これ?」
いいよとは言わず目を丸くする静理の様子に、小鳥はしょんぼりする。
「だ、だめ……ですか……?ダメ、ですよね……すみません」
「いや別に構わないよ。ちょっと驚いてしまっただけで……というか小鳥ちゃんこそ、俺のでいいのかい?ピアスが欲しいならもっと他に……」
「し、静理さんの……!静理さんの、が欲しかったんです!」
「俺、の……?」
何でも良いわけじゃない。
好きな人が身につけているものだからこそ、欲しくなる。
頬を紅潮させながら力強く頷く小鳥を見て、静理は柔らかく微笑んだ。
「わかった。屋敷に戻ったら、あげるよ」
「じゃあ、ピアスの穴の開け方も、教えて下さい」
「いいよ。何なら俺が開けてあげようか、こうやって」
静理の顔が近づいてくる。
髪の毛を耳にかけられ、小鳥は彼の牙で耳たぶをカプリと甘噛みされた。
「っ、ぁ……!」
「フフ、ごめんね。冗談だよ。ちゃんとピアッサーを使おう。後で買って帰ろうか」
耳が熱い。
小鳥は恥ずかしくなって試着室へ隠れた。