EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
理王から贈られたメイド服。
それを好んで小鳥はちょくちょく着ている。
デザインというよりは、その機能性に惚れたのだが。
「これ、すごく着心地いいんですよ。それに動きやすいですし」
「嫉妬した俺に襲われたいってことかと思ったよ」
すかさずキスされる。
唇が重なり、小鳥が静理の腕に縋りながら深い口づけを覚悟した瞬間だった。
ーーピ~ンポ~ンッ
チャイムが響いた。
玄関でキスしていたことを思い出し、恥ずかしくなった小鳥がパッと唇を離す。
静理は名残惜しげに小鳥から離れると、すぐに玄関のドアに手を掛けた。
「どなたですか」
問いかけながらドアを開ける。
するとそこには、よく知った黒髪の青年が立っていた。
「やあ。いらっしゃい、誓也(せいや)」
「こんにちは、静理兄さん」
「どうぞ、入って」
「お邪魔します」
誓也は小鳥の母親から生まれた、小鳥と血の繋がった弟だ。
静理と一緒になっても子供ができないため、小鳥はこの歳の離れた弟を自分の子供のように可愛がっている。
誓也が幼い頃など、よく静理と二人で子守をしたものだ。