EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「今すぐ飲みましょう!」
「落ち着こうね小鳥ちゃん。誓也もいるんだよ?」
「いや、俺のことは気にせず。俺は空気読める弟なんで」
「誓也!赤ちゃんが作れるかもしれないの!静理さんと、私!」
「えっ、マジか?父さんスゲーな。ただのヘンジンじゃなかったんだ」
誓也のリアクションは薄いが、おっとりさんな彼はこれが通常だ。
普段から、何事にもあまり動じない。
「まさか、こんな日が来るなんて……!子供は諦めてたから、凄く凄く嬉しいです!」
手紙を握り、瞳を潤ませ喜ぶ小鳥。
そんな彼女が愛しくて、静理は後ろから優しく抱き締めた。
「というか、姉さんと静理兄さんて結婚まだだよな?しないの?」
「そうだね。二人で暮らせれば結婚なんてしなくてもいいと、お互い思っていたんだけれど……」
「私も、それで良かったですが……子供ができるなら、ちゃんと結婚したいです。ダメですか?静理さん」
「俺がダメって言うと思うかい?」
「私が大好きな静理さんなら言いません」
そのままキスとイチャイチャが始まりそうな予感がしたため、空気の読める弟は「じゃあ俺はこれで」とさっさと退散を決め込んだ。