EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
小鳥はキョトンとした。
「今までもちゃんと幸せでしたよ」
そして静理に、曇りない笑顔を向ける。
「けど、これからは、もっと幸せになるんです」
今までがマイナスなわけじゃない。
プラスに更なるプラスが重なるだけなのだ。
小鳥がそう教えてくれる。
静理は己を恥じると同時に、やっぱり彼女がいないとダメだと思い知った。
「本当に、君は……どれだけ俺を幸せにしてくれるんだろう……」
「いっぱいです」
「……困ってしまうよ」
「困って下さい」
「フフッ、敵わないな」
小鳥に近づき、優しく口づける。
それから遠くない未来、元気な子供達の声が家族の日常となるのだった。
【静理編 END】
2022/5/1