EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「丁度いいか……あの子を出荷しよう。血の海に浸っていても目に光を失わない強い子だからね」
再び調教部屋へ向かおうとする静理の背中に、腕を組んでしかめっ面をしたオーレリアンが忠告する。
「そのまま出すの?せめて傷を治してから出荷しないと、そいつ三日も持たずに死ぬんじゃない?」
「……必要ない。どうせまたすぐ、血の海さ」
振り向かずに答える静理。
そのまま出て行くのかと思いきや、チラリと小鳥へ視線を送った。
「小鳥ちゃん………一緒に…来てくれないかな」
「えっ!?私が、ですか?」
「そうだよ。今から商品を届けに外へ出るから、付き合ってほしいんだけど……駄目かい?」
なぜ誘ってくれたのだろう。
静理にどんな意図があるのだろうか。
全くわからないけれど、小鳥は全てを受け入れるおおらかさでもってこう言った。
「行きます。一緒に」
「…ありがとう。おいで」
覚悟を決め、招きに応じる。
小鳥は震えないよう、唇を引き結んだ。