EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「ふむ、注文通りだね。ありがとう」
理王は部屋の隅にある重厚な木製のデスクから黄金の箱を持ってくると、中から札束を取り出した。
さっさと支払いを済ませ、小鳥の方をチラリと見遣る。
「彼女は商品ではないのかな?見たところ、とても良い素材の持ち主のようだが」
突き刺さる捕食者の眼差し。
値踏みするようなその視線は小鳥を完全に「物」扱いしている。
(こ、怖い…!)
身の危険を感じて悪寒が走った時だった。
「すみませんが理王様、彼女は商品ではありません」
静理の腕が小鳥に伸びる。
(きゃ!?)
「この子は……俺のです」
見せつけるように、ギュッと抱き締められた。
(静理さん…)
思いがけない静理の行動に小鳥は安心しつつも胸を高鳴らせる。
「ほう……お前の、か」
「はい。俺の、です」