EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
牽制する笑みを浮かべる静理。
それを観察して理王は一瞬目を細めたが、すぐに人好きのする笑みを返した。
「それは興味深いな。お嬢さん、お名前は?」
「さ、櫻井…小鳥です」
「初めまして、小鳥さん。私は枢戯理王という。こうして出会ったのも何かの縁。どうだろう、ゆっくりお茶でもいかがかな?もちろん静理も一緒に…」
「いえ、結構ですよ。これから用事がありまして、俺と彼女はすぐ移動しなければならないんです」
すかさず割って入った静理が主導権を奪う。
「そうか……残念だ。では、またの機会に期待しよう」
残念と言いつつも、にこやかな笑みは崩さない。
静理はその笑みを警戒しながら小鳥を玄関ホールへと促し、そのまま外へと連れ出した。