EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

牽制する笑みを浮かべる静理。

それを観察して理王は一瞬目を細めたが、すぐに人好きのする笑みを返した。

「それは興味深いな。お嬢さん、お名前は?」

「さ、櫻井…小鳥です」

「初めまして、小鳥さん。私は枢戯理王という。こうして出会ったのも何かの縁。どうだろう、ゆっくりお茶でもいかがかな?もちろん静理も一緒に…」

「いえ、結構ですよ。これから用事がありまして、俺と彼女はすぐ移動しなければならないんです」

すかさず割って入った静理が主導権を奪う。

「そうか……残念だ。では、またの機会に期待しよう」

残念と言いつつも、にこやかな笑みは崩さない。

静理はその笑みを警戒しながら小鳥を玄関ホールへと促し、そのまま外へと連れ出した。





< 30 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop