EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
静理は淡々と語った。
「偉大な人物から、名前すら記録されない惨めな者達に至るまで、外の世界は多くの生きざまに溢れてる。かつての俺は、自分よりも惨めな生涯を送った者を嘲笑い、満ち足りた一生を歩んだ者を妬ましく思いながら……自分の存在意義をそこから探そうとしたんだ。結局、答えは見つからなかったけれどね」
「存在意義…?」
「そう。俺の命の価値はあってもなくても変わらないし、おそらくとても軽い」
「そんな…!そんなことないです!命の重さは、みんな平等ですよ!」
勢いで言った瞬間、小鳥は自分の言葉に違和感を覚えた。
本当に命の重さは平等なのだろうか。
(平等なものは、もっと別の…)
ーーお前が思っている以上に世界は残酷なんだ。僕らにとっても……お前らにとっても…平等に
オーレリアンの言葉が脳裏に響く。
(そうだ。平等なものは、きっと世界の残酷さの方だ)
人間にも闇人にも、世界というものは残酷で厳しくて、恐らく静理はそれに生まれた瞬間から呑まれていた。
「平等、か……人間らしい考え方だね。すごく小鳥ちゃんらしいよ」
ちょっぴり羨ましそうに静理は笑った。