EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「静理さんが心から楽しんでそれを生き甲斐にできるなら………ありかもですけど…」

趣味は人それぞれ。

それを頭ごなしにダメだと決めつけるのはどうかと小鳥は思った。

それが例え、どんなに理解しがたい趣味であろうとも。

「そうか。ならダメっぽいね。こんなこと生き甲斐にしてたら死んでた方がマシという気分になってしまうよ。まあ、使命感と復讐心は少なからずあるけれど」

割りとまともな答えが返ってきて内心小鳥はホッとした。

つまり静理は、人間を虐げることも支配することも楽しいからやっているわけではないのだ。

それがわかって小鳥はちょっぴり嬉しくなる。

「参ったな。自分の好きなことがパッと思い浮かばない。俺は無趣味だったのか」

無趣味。

聞いた瞬間、小鳥はハッと閃いた。

「な、なら…!」

「一緒に趣味を探しませんか?とかは、言わないでくれると有り難いかな。当たったかい?」

「はい……大当たりです」

先を越されてしまった。

隣でしょんぼりする小鳥に静理は苦笑い。

「フフッ。そんなに落ち込んだ顔をしないで、小鳥ちゃん。これは俺の問題だから、君に余計な気遣いをさせたくないんだ」

と言われても、静理曰く「余計な気遣い」をしたくなるのだから仕方ない。


(毎日がつまらないなら、少しでも楽しくしてあげたい…)


先程の暗い静理の横顔を思い出しながら、自分に何かできることはないだろうかと、小鳥はこっそり考えた。





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