EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「お疲れ様です」
本当に疲れている様子なので、小鳥は労るようにポンポンと白魔の背中を叩く。
と、その時、白魔からふわりと香る甘さに小鳥は「あれ?」と首を傾げた。
(白魔さん、なんかいつもと違う…?)
ズバリ、イイ匂いがする。
否、いつもイイ匂いなのだが、今日は特別な気がした。
甘ったるいのだけれども、甘いだけで終わらない大人の色気を感じさせる香りだ。
くんくん。
つい匂いを嗅いでしまう小鳥だった。
「何してるの?」
「っ!?すみません!つい、白魔さんの匂いを…!」
「匂い?ああ、ごめんね。臭かった?」
「く、臭いだなんて!とんでもないです!すごく、イイ香りなので…」
つい、くんくんしてしまった。
小鳥から体を離しながら、白魔はクスリと笑う。
「今日は香水をつけてるから、そのせいかな?」
「香水?」
「うん。この前、ファンから香水をプレゼントされてね。せっかくだからリサイタルにつけていったのさ」
成る程、香水のせいで白魔の色気がいつもの二割増しなのか。納得した小鳥だった。
「気に入ったのなら、君もつけてみる?」