EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

静理をからかって遊んでいたカロンだったが、ふと思い出してピョン太郎寝不足二世の背中を探った。

ぬいぐるみの正面しか見なかった小鳥は気づいていなかったが、ウサギの背中には小さなチャックがついており、開けば中に物を入れられるようになっている。

収納スペースの狭さゆえあまり役に立たないが、カロンはあるものをそこに突っ込んでいた。

「ほい、あんたにも来てたぞ」

ピラリ。

小鳥の前にも手紙が置かれる。

「え?私にも…?」

それは白い封筒だった。

良く見ると、うっすら虹が描かれている。

シンプルだけれどお洒落なそれを小鳥は目をパチクリさせながら見つめた。


(ここに来て手紙なんて初めてかも。お母さんからかな?)


「小鳥ちゃんのも中身を見たのかな?」

「いーや、そんな失礼なこと小動物にできねぇだろ」

「カロン……俺に対する嫌がらせが露骨だね」

「んなことないって。自意識過剰じゃね?」

二人が会話をする横で中身を取り出し手紙を読む小鳥。

母親かと思ったが彼女の予想は外れた。

差出人として書かれていた名前は…。


(枢戯、理王……これ、理王さんからの…!?)


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