EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「すみません、カロンさん。お願いがあるんですけど…」
「いいぜー。吸血一回な」
理王と会おうと決めた小鳥は早速カロンを捕まえた。
たまたま廊下で見掛けた彼に駆け寄りコソコソと話を切り出すが、早くも不穏な返事をされ逃げ腰になる。
「……やっぱり良いです。他を当たります」
「待て待て冗談。とりあえず話してみ?」
小鳥は本当に冗談なのかと疑いつつも、お願いを口にした。
「私、この前の手紙にあったplu × arというお店に行きたいんです。でも場所がわからなくて……だからカロンさんに教えてもらいたいんです」
「まあ、そのくらいお安い御用だけど……あんた、静理に行くなって言われてなかった?」
指摘されて少し視線を下げる。
けれど小鳥はすぐ気を取り直してしっかりとカロンを見上げた。
「わかってます。でも、理王さんと話してみたいんです。理王さんは静理さんと親しいみたいだったから…」
「ふーん。つまり小動物は静理のことがもっと知りたいと」
カロンはつまらなそうに小鳥を眺めた。
「俺、あんたに言ったよな。静理は危ないって。面白半分で手ぇ出すとマジで大火傷して死ぬぜ」