EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
そして小鳥は静理に洗いざらい白状した。
理王の店に連れて行って欲しいとカロンにお願いしたこと。
それなら吸血一回なと言われて、先程それを前払いしようとしていたこと。
全てを聞いた静理は呆れ顔である。
「小鳥ちゃん」
「は、はい」
「俺が何て言ったか覚えていないかな?」
「行かなくて、いいって…」
「そうだね。行かなくていいよ。服を買いたいなら別のお店を紹介してあげる」
「服を買いたいわけじゃ…」
しゅんとしつつ、何やらもごもご言っている小鳥を観察するように眺める静理。
「……俺と理王の関係が、気になる?」
声を大にして「その通りです!」とは気恥ずかしくて言えず、小鳥は小さく首を縦に動かした。
静理がハァと軽い溜息を吐き出す。
「俺の母が娼館にいたのは前に話したよね。理王はその店の主でね、俺を赤ん坊の頃から知っているんだ。……俺の名付け親でもある」
「だから、息子と…?」
「いや、それは彼の願望だよ。商品であるはずの俺の母親のことを本気で愛していたらしいから、迷惑な愛情が俺にも押し付けられているんだ」