EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
5
†††
結局、理王の店へ行くことはスッパリと諦めた小鳥だったのだが。
彼は違った。
「しょーどーぶーつ。どこ行ったぁー?ちっこいから探すの大変だよなぁ。……お、いたいた。おーい、出掛けんぞ」
後日、小鳥はキッチンでカロンに捕獲され、ズルズルとエレベーター前まで引きずられていった。
「カロンさん?どこに行くんですか?」
「は?あんたさ、俺に約束させといて、それはなくね?」
「え……約束って、まさか」
思い当たることは一つしかない。
小鳥は慌てて口を開いた。
「もうあの話は無しです!やっぱり行かないことになりました!」
「えー……連れてけば飲ませてくれんだろ?ほら、行くぞ」
「それ、カロンさんが血を吸いたいだけじゃ…!」
「ほら、歩かねぇなら担いでくけど?それともなんだ、お姫様抱っこってやつがいいのか?」
「……歩きます」
抱っこされたまま外を移動するなんて恥ずかし過ぎる。
逃げられないと悟った小鳥は渋々カロンの後について屋敷を出た。