EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「今の、注文すればつくってくれんの?」
「できないことはない」
返事を聞いてニヤリと小鳥を見るカロン。
この笑顔は良からぬことを企んでいる顔である。
「ぜ、絶対着ませんよ…!」
「え~。似合うと思うけど?ロリータ系の胸開きワンピース」
絶対着ないという意思表示として、プイとそっぽを向く。
そんな小鳥を見てクスリと笑みを浮かべながら理王は口を開いた。
「小鳥さんはどんな服が好きなのかな?私が仕立ててあげよう」
「そんなっ!わざわざ仕立てるだなんて…!」
「遊びにいらしてくれたなら是非、服を贈りたいと思っていたんだ。だから遠慮せず言って欲しい」
そう言って真っ直ぐ小鳥を見つめる彼の眼差しには、人を恐れさせる得体の知れない怖さなど微塵も含まれていなかった。
(なんだか理王さん……この前よりも、怖くないような…?)
漠然とそう感じ、少しだけ警戒心が薄らぐ。
小鳥は会話を続けた。
「服にはとくに、こだわりはなくて…」
「着てみたいものなどは?」
いきなり言われても困ってしまう。
綺麗なドレスや可愛いワンピースを見て「素敵!」と思っても、自分で着たいかと問われると小鳥にとってそれは別問題だった。
(うぅ……なんて答えれば良いんだろう………カロンさんみたいにパッと思いつかない…!)
小難しく考え過ぎて唸る小鳥に「それならば」と理王が助け船を出す。