EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】


†††


 素っ気なく「別に」と言われた時はショックだった。

けれど単純なもので、静理に抱き締められた時、小鳥は驚きと同時に喜びで満たされた。

彼の腕の強さを思い出す。


(ああやって、静理さんに抱き締められたのは初めてじゃないけど……)


以前、初対面の理王の前でも今回と同じように抱き締められた。

しかし、あの時は相手が理王で、小鳥にとって危険な存在となり得る可能性があったからで。

今回の相手はカロンだった。

静理が全力で警戒する必要もない相手である。


(理王さんの時とは、違う……)


初めて、求められた気がした。

静理に引き寄せられ、抱き締められ「ここにいてくれ」と。


(すごく、嬉しかった……)


同時に、静理のことが好きなのだと、小鳥が自分自身でハッキリ認めた瞬間でもあった。

だから、決めたのだ。


(静理さんが少しでも私を必要としてくれるなら、側にいたい)


何があろうと、拒絶されない限り、いつまでも。




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