EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

軽い溜息をついてから、静理は赤い瞳で小鳥を見つめた。

「今話した三人の共通点が何か、気づいたかい?」

「……人殺しってことですか?」

「うーん…まあ、ほぼ正解かな。彼らは殺人者。つまり他人の血が流れることを望んだ者達だ。彼らに共通していることは“血”なんだよ。必要以上に血を求めたせいで、彼らは吸血鬼という誤解を受けてしまったんだ」

語る静理の目が熱を孕む。

「面白いと思わないかい?誤解されるほど人間は吸血鬼と似ている。大差がないんだ。血に関してだってそう…。血とは生命の源。つまり、命の象徴。吸血鬼はそれを生きる糧としている。けれど、人間だって何かの命を毎日食べて生きているんだ」

彼は苦笑か自嘲かわからない曖昧な笑みを浮かべた。

「似ているんだよ。俺達は。君達人間が存在しなかったら吸血鬼も存在しない。光と闇のように……それ程までに密接した関係なんだ」

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