EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「うおっ!?いきなりデッカくなったな!」
「なんだ!?どうなってやがる!?」
静理が本来の姿に戻ったのはそれからしばらくしてだった。
まだ賭博の席についていた彼は、目を丸くしている周りの男達を混乱しつつ眺めた。
「俺は……子供だったのか?」
「ああ。確かにガキだったぜ。急にどうしたってんだ?」
(記憶がない……。ちゃんと子供に戻っていたらしいが……俺は、いったい何をやってるんだ?それに小鳥ちゃんは……)
ここで、血の匂いに気づいた。
(小鳥ちゃんの、血の香り……!?)
匂いに導かれ慌てて振り向く。
すると、手が届く距離に小鳥がいた。
地面に横たわったまま、光を失った目で静理を見つめている。
「こと、り、ちゃん……?」
静理の思考は停止した。
有り得ない。
信じられないものを見てしまったことに対し、心が現実を激しく否定する。
「こと……り……っ、小鳥ちゃん!!!!」
勢い良く席を立ち、小鳥に駆け寄り抱き締めた。
冷たい。
ピクリとも動かない。
息を、していない。
「嘘、だろう……?こんなっ……どう、して……っ」
静理の顔色は青ざめた。
呼吸が乱れ、手足が震える。
小鳥の胸の傷を見つけて、静理は叫んだ。
「誰だ!!誰がこんなことをした!!!!」
ギッと男達の方を睨みつける。
殺してやる、と思った。
だが、告げられた答えは残酷で。