EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
しゃわしゃわ、しゃわしゃわ。
「痛くないですか?」
「うん。小鳥の指、気持ちいいよ」
小鳥に髪を洗ってもらい、上機嫌な白魔。
あれから全裸になった彼は腰にタオルを巻いた状態でバスタブに腰掛けていた。
(白魔さんの髪、すごく柔らかい)
もうそろそろシャンプーを流しても良い頃合いだが、まだこの感触を楽しんでいたいと思ってしまう。
小鳥はもう少し続けた。
「不思議だな…。他人に髪を触られるのは不快でしかないのに……君の場合はとても癒される」
「そうですか?良かったです」
リラックスモードで目を閉じている白魔を見て小鳥の心もほわんとなる。
「髪を触られるのが嫌いなら、あんまり美容院とか行かないんですか?」
「行かないよ。自分で切るから」
「自分で!?」
「そんなに驚くこと?意外と簡単だよ。慣れれば誰にだってできるさ」
サラッと言える白魔が羨ましい。
小鳥は自分の前髪を斜めにカットしてしまった過去を思い出した。