EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
8
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小気味良いノックの音が小鳥を浅い眠りから引き上げる。
「失礼致します。大旦那様が食事をご一緒なさりたいとのことです」
「大旦那様ってことは…ダンクラート様か。わかった。食堂に行けばいいの?」
「はい。私がご案内致します」
「なら支度が終わるまで待ってて。まだ僕のプリマドンナが夢の中だからさ」
「かしこまりました」
パタンと扉が閉まる音がした時、会話も止んだ。
(エマさんの声だった…)
もう起きる時間なのだろうか。
目を開けて身体を起こすと、着替え中の白魔が視界に入った。
「おはよう、僕の眠り姫」
シャツのボタンを留めながら爽やかスマイル。
何気ない光景なのだが、白魔だと様になるのでドキッとしてしまう。
(ううっ…カッコイイ…)
寝起き早々、小鳥が赤くなっていると、白魔がクローゼットから白のロングワンピースを取り出した。