EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「こちらです」
エマに案内され廊下を歩く。
大階段の奥にある食堂はなんと扉が人の形をしていた。
シルクハットをかぶり右手にポット、左手にティーカップを持っている。
(このシルエット…どこかで見たような…?)
小鳥が思い出そうとしていると白魔がエマに尋ねた。
「アリス、好きなの?」
「はい。大旦那様がルイス・キャロルのファンでして、屋敷の扉は全てアリスシリーズのキャラクターを意識した作りとなっております」
「あ、そっか!帽子屋さんだ」
アリスを変なお茶会へ誘うマッドハッター。
食堂の扉が彼のシルエットだと気づき小鳥はポンと手を打った。
「中へどうぞ」
扉を開けるエマに促され、広い食堂内へ。
緑の壁に金色の装飾が輝くダイニングには中央に重厚な長テーブルが一つ置かれていた。
「おはよう。よく眠れましたかな?」
そのテーブルについたまま客を迎えたのは大旦那様であるダンクラートだ。
彼の隣にはランベルトが腰掛けている。