EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
エマが退室するのと同時に口からニンニクを吐き出す。
ランベルトは切なげに溜息をついた。
「エマが愛してくれない。グスン。所詮ワタシのことなど遊びだったのか…。いいもんねーだ。ホワイト・デビルと浮気してやる!」
「突き返すよ。あの使用人に」
笑顔ですかさず返した白魔。
するとダンクラートが口を開いた。
「ところでハクマくん。そちらのお嬢さんは…」
「ああ、紹介が遅れてすみません。僕の妻の小鳥です」
「おお…!奥方とは…。初めまして。ダンクラート・ライヒナームと申します」
「初めまして…!小鳥です」
ペコリとお辞儀をして、ニコニコとご機嫌なダンクラートを見る。
(細い人だなぁ…。顔も手足もモデルさんみたいにスラッとしてる)
ランベルトより老けてはいるが、黒髪のおかげで若々しい。
(ランランさんと顔は似てるけど、落ち着いた大人の雰囲気…。ちょっと緊張するっ)
そんな小鳥の心中を知ってか知らずか、ダンクラートはストレートの髪を撫で付けながら、ふむと考えた。
「コトリさんは我が息子をランランと呼んでいらっしゃるのだな。それならば私のことはダンダンとお呼び下され」
「え?」
小鳥と白魔の目が点になる。
「あ~!オヤジ様ズルイぞぉ!ワタシのマネっこ禁止!」