EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
(ゴーストって、お化け!?)
まさかの、奥様は幽霊。
「ダンクラート様は霊感が強いらしいんだ」
隣の白魔が耳打ちしてくれた。
「やはりコトリさんもエリザベータのことは見えませんか」
「はい…すみません。せっかく紹介していただいたのに…」
申し訳なくて謝る小鳥にダンクラートはニコリと微笑む。
「気にすることはない、と妻が申しております。存在を知っていただければ充分と…」
その時だった。
勢い良くマッドハッターの扉が開いて女の子が飛び込んで来た。
「ルカくんいる!?」
白い頬を薔薇色に染め、テーブルを見回す少女。
緩くウェーブした長い茶髪が特徴的な彼女は、フリルたっぷりの黒いワンピースを着ている。
(か、可愛い!!お人形さんみたい!)
小鳥が目を輝かせて眺めていると、少女が不満げな声を出した。
「あれー?ハクマだけ?なーんだ。クラヴィエ家の人が来たって聞いたからルカくんもいると思ってたのに。あーあ、喜び損かぁ」