EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「遊んでないよ。楽しくおしゃべりしてるだけ!ボク達お友達だもんね」
「えっ、あの…」
「そうだ!今日一緒にお出掛けしない?ボクが街を案内してあげる」
ヴォルフの勢いにたじたじな小鳥。
白魔は更に眉間にシワを寄せた。
「出掛けるのには賛成だけど、君はいらないよ。僕と小鳥、二人でデートするからね」
「えぇ~、道迷わない?というかハクマ、ドイツ語しゃべれるの?」
馬鹿にした言い方がカンに障り、白魔がムキになる。
「六ヶ国語マスターしてる僕に対して愚問だね。ドイツは初めてじゃないから地理もわかるさ」
「へー、さすがルカくんのお兄様!デキル男ってやつだね」
「ルカ基準なのがムカツクけど…まあ、いいか」
話しているうちに召使達がブラッディーボトルを運んで来た。
白魔やダンクラート達の前にグラスを並べていく。
「そういうことだから、僕のプリマドンナ。食べ終わったらデートしよう」
小鳥の手に手を添える白魔。
彼は笑顔で頷く最愛を確認するとダンクラートに向き直った。
「すみませんが、車を貸していただけませんか」
「ええ、喜んでお貸ししましょう」
こうしてお出掛けが決定した。