EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
その時だった。
男性店員がツカツカとこちらに近寄って来たかと思うと、片言の日本語で話し掛けてきた。
「スミマセン。ニンゲン、ダメ」
「は?」
唐突な言葉に白魔が目を見開く。
「ニンゲン、ダメ。ココ、ダメ」
「人間がダメ…?まさかこの店、人間お断りってこと?」
日本語だと詳細が聞き出せないので白魔はドイツ語で会話を始めた。
(人間がダメって…私のことだよね…?)
何をしゃべっているのかわからない小鳥が不安げに彼らを見つめる。
少し待っていると会話が終わり、白魔に肩を抱き寄せられた。
「出よう。あまり好ましい状況じゃない」
「え?どういうことですか?」
「この店、人間の客はお断りだってさ。連れの僕が闇人でもダメらしい」
「そんな…!」
店の外に出て車まで戻る。
「話によると、店のオーナーが人間嫌いらしいよ。支配主義思想の持ち主みたいだね。仕方ないから別の店に行こう」
「はい…。すみません。私のせいで…」