EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
(もう…白魔さんてば、外であんなこと…)
どれだけ愛を囁かれようとも周りは外人ばかりだから恥ずかしがることもないのだが、小鳥は思い返して羞恥に苛まれる。
食べ終わった今、小鳥は一人カフェのトイレで手を洗っていた。
ちょっと白魔から離れて頬の熱を冷ましたいと思ったのだ。
(うん……少しはマシになったかな)
まだ火照ってはいるが、さっきよりは良いだろう。
トイレの鏡を見てから小鳥が出ようとした時だった。
――バンッ!!
扉が勢い良く開き、金髪女性が駆け込んできた。
「Hilfe!(助けて!)」
「へ?」
小鳥にしがみついて必死の形相をする女性。
言葉はわからなかったが気づいてしまった小鳥はゾクリとした。
(私…この表情を、知ってる…!)
――助けて!お願い!!こ、殺される!!
そう言って泣きながら縋り付いてきたクラスメート。
上原涼子と、同じだ。
(この人、きっと人間なんだ!闇人から逃げてるの?私、どうしてあげれば…!)