EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】


†††


 涙が落ち着き、カフェを出る。

小鳥の肩を抱いたまま歩き出した白魔は、そろそろランベルトの屋敷に戻ろうと提案した。

先程彼女が受けた精神的ダメージを考えて彼が出した結論だ。

「屋敷でゆっくり休もうよ。うるさい連中はいるけど、苦痛はないはずだから」

「はい…。ありがとうございます」

「妻を気遣うのは当然さ。ほら、足元に気をつけて」

ちょっとした段差だったが白魔に手を取られた。

そのままショッピングモールを後にし、車のところまで歩いていく。

すると、その僅かな距離で小鳥は偶然にも知り合いを発見してしまった。


「あれ?あそこに倒れてるのって…氷河さん!?」


路上で行き倒れ状態になっている魔冬氷河。

地味な黒髪だが、綺麗な顔立ちと泣きぼくろで誰だかすぐにわかった。

「なんでこんなところに魔冬氷河?あ、小鳥!ほっときなよ」

倒れている氷河に駆け寄った小鳥を白魔も追いかける。

「だって、このままにしておけませんよ。意識ないみたいですし…」


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