EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「なんだ。ただの酔っ払いか」
白魔がナイフを下げ冷たい目で見下ろす。
すると、やっと氷河の頭はハッキリしてきたようだ。
真っ直ぐ白魔を見上げ、目を丸くする。
「お、前…クラヴィエの長男か…?」
「そうだけど。君は魔冬氷河だよね。一体ここで何してるのさ」
「ああ……酒を…パーティーで…ああくそっ!」
氷河は白魔の肩をガシッと掴むと危機迫る涙目で早口にまくし立てた。
「お前にわかるか?クラヴィエの長男。愛しい女を祖国に置いて軍事会議に駆り出された挙げ句、会議後のパーティーで上官に酒を勧められ潰れるまで飲まされた後にホテルへ戻るつもりが道がわからなくなって行き倒れるしかなかったこの屈辱がっ!」
「……うん。君が相当酔ってるってことは理解できたよ」