EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「君に何がわかるのさ!僕が…僕が本当に望むものを彼女はくれるって言ったんだ!愛してくれるって、頷いてくれたんだ!!」
「だからなんだというんだ?お前は愛情に飢えてるのか?」
「ああそうさ。そんな質問をする君はさぞや愛情深く育てられたんだろうね。憎らしくて吐き気がするよ」
憎々しげに氷河を見つめてから白魔は小鳥の手を掴む。
「行こう?二人きりになりたい」
「あっ…」
引っ張られて客間を出るが、気を遣ってくれたのかランベルトは追いかけて来なかった。
「どこがいいかな?空いてる部屋は…」
「それなら、泊まってる部屋に行きましょう」
迷っている白魔を小鳥が案内する。
二人はハートの扉を開けて客室へ入った。
「この部屋は…?」
「白魔さんと私が泊まっている部屋ですよ。二人で旅行中なんです」
「旅行?僕と君が…一緒に?」
まるで夢物語でも聞いているような表情で白魔が小鳥の傍へ寄る。
ベッドに腰掛けた小鳥の横に白魔もちょこんと座った。
「夫婦、か…」
白魔の独り言と共にベッドがギシリと軋む。