EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
笑ってから彼はスッと笑みを消す。
「だからこそ、色んな君を知ってる未来の僕に嫉妬しちゃうよ」
突然だった。
油断していた小鳥は白魔に押し倒され、ベッドに背中を預けることとなった。
「きゃ!?」
仰向けに寝転がってしまった瞬間、身体の上に白魔がのしかかってくる。
「ねえ、唇は奪わないであげる。だからその代わりに、吸わせて?君の血を」
小鳥の手を取り指先に口づけて、白魔は懇願するように言った。
「お願い…」
幼いアメジストの瞳が怯えるような色を見せる。
(白魔さん…震えてる?)
嫉妬と言っているが、本当は安心したいのではないか。
小鳥の血を飲むことで心を満たしたいのでは――。
「……いいですよ。どうぞ、白魔さん」
小鳥は柔らかく微笑む。
「吸血されるのはあんまり慣れてないから、怖いけど……白魔さんなら、いいです。特別だから」
「特別」という響きが白魔の胸を高鳴らせた。
彼は嬉しげに、けれど泣きそうな笑顔で小鳥に告げる。
「これが夢でないなら…もう死んでも構わない」
「死んじゃダメですよ。死んだら大人になった白魔さんが私に会えません」
「ハハ、そうだね。なら、頑張って生きてみようかな。僕を傷つけるだけの世界でも、いつか君に巡り会えるなら捨てたもんじゃないね」