EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】

次の瞬間、小鳥の首筋に白魔が擦り寄った。

そして――。


「いくよ」


その囁きと同時に噛み付かれる。

いつもより小さな牙が肌に食い込み、小鳥は母性本能をくすぐられた。


(白魔さん…)


そっと彼の後ろ髪に指を絡ませる。

一瞬、白魔はビクリと震えたが、更に吸うことで小鳥に応え、彼女に甘えた。


(痛いけど…大丈夫…。白魔さんだから、怖くない)


そう自分に言い聞かせる小鳥がキュッと目を閉じた時だった。


――グッ


「っ!!」

肌に食い込んでいる牙が少し大きくなったような気がした。


(気のせい…じゃない!痛い!)


目を開けて白魔に訴える。

「痛いですっ、白魔さ…え?」

「ん…?」

白魔がゆっくりと牙を抜いた。

「あれ…?なんで僕、君の血を吸ってるの?」

驚愕して目をパチパチと瞬かせている白魔は、もう子供ではなかった。

小鳥を包み込むように覆いかぶさっている身体は普段の大きさだ。

「も、どった…」

いきなりでビックリするやら安心するやら。

小鳥は白魔を見上げてホッと安堵の吐息をこぼした。


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