EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「戻ったって、どういうこと?」
「覚えてないんですか?白魔さん、子供になっちゃってたんですよ?」
「僕が?まさか。有り得ないでしょ」
と言ってはたと気づく。
白魔は自分が着ている子供用のパーカーとズボンを見て沈黙した。
「………本当…みたいだね」
「はい」
「……もしかして、あれ?父上が送ってきたっていうマズイ液体のせい?」
「…は…はい」
密かにジェラルドに対し憎しみが募った白魔だった。
「ごめんね…吸血するなんて。無理矢理だった?」
小鳥の血が付着している自身の唇を指で拭う。
勿体ないと言わんばかりにそれを舐める白魔を眺めながら、小鳥はゆるゆると首を横に振った。
「私がどうぞって言ったんです。だから大丈夫ですよ」
「ふーん……そうやって君は子供の僕に浮気したんだ?」
「浮気!?違いますよ!だって白魔さんじゃないですか!」
「過ぎ去った日の自分は今のライバルとなるのさ」
「なんかカッコ良く言ってますけど、それって単に妬いてるだけじゃ…!」
「フフッ、わかってるじゃない」
綺麗に微笑んで「だから、いただきます」と悪びれることなく言った白魔は再び小鳥の首筋に顔を寄せたのだった。