EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
妻がご機嫌を損ねてしまったとダンクラートに相談してみる。
すると…。
「でしたら、あの部屋へご案内しよう。我が家の最上階にいらっしゃい」
いくつもの階段の先にある、城の最上階。
そこは小さな展望室だった。
「白魔さん…重くないですか?」
「平気だよ。こう見えてそれなりに力はあるし、何より男だし。君を抱き上げるくらい簡単さ」
展望室までエレベーターがないので階段を上がる白魔。
もちろん貧血の小鳥を抱きかかえてだ。
「どうぞ、こちらへ」
先頭のダンクラートが、狭い階段の途中にあった赤いカーテンを引いた。
シャッと音がしてカーテンの向こうに展望室が現れる。
「わあ…!すごい眺め!」
小鳥が思わず声を上げる程に最上階の見晴らしは最高だった。
キラキラと輝く青い宝石の星。
その下に広がる三角屋根の街並み。
窓ではなく、壁が大きくくり抜かれたようになっているそこからは地下世界が一望できた。