EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
腕組みをして笑みを消す。
「何がたまたまさ。本当は計画的な犯行でしょ?」
これに対しカロンが頭を掻きながら呆れ顔。
「犯行って…俺らは犯罪者かよ。ヒデー扱いだな」
「当たり前さ。兄の幸福な時間を邪魔するなんて、我が家では犯罪に値するよ。今頃知ったの?」
刺すような笑顔を弟達に向けて白魔は結論を吐き捨てた。
「という訳で、長兄命令だ。今すぐ全員帰りなよ」
「ヤーダ」
すかさず反抗した勇者はカロンだ。
ベッと舌を出され、白魔が無言でナイフを飛ばす。
「ちょっとくらい良いじゃないか。わざわざ学校が休みの時に来たんだしね」
カロンに向けられたナイフをムチで叩き落としながら静理がニッコリ笑った。
「やっぱり出張とかロケとか嘘なんだね。わかってたけどさ」
「まあまあ、ハクマくんの弟様方なら歓迎しますよ。ようこそ、我がライヒナーム家へ」
兄弟の間に入って穏やかに挨拶をするダンクラート。
静理が兄弟を代表して言葉を返そうとした丁度その時、廊下からバタバタと足音が響いてきた。
そして勢い良く客間の扉が開かれる。