EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「ここ!お部屋の空きは三つだよ」
ヴォルフに連れられて客間を出た一行は客室が並ぶ廊下にやって来た。
「俺、ハートがいい」
四つある扉のうち、カロンがハートに向かって一直線。
「ハートは僕達が泊まってるんだよ。お断りさ」
小鳥を抱きしめた白魔がハートの扉の前でカロンに立ち塞がった。
「チェッ。ならダイヤ」
「俺はスペードにしよっかな」
ルカがスペードの扉に近寄る。
「兄様、一緒にクローバーの部屋に泊まろう?」
「ああ…」
オーレリアンとフェオドールは二人で一つの部屋にするようだ。
「じゃあ俺は…」
残った静理がダイヤとスペードのどちらを選ぼうか迷っていると、ダンクラートが思い出したように声を上げた。
「ああ、そうだ…!スペードの部屋には旧友が泊まっているかもしれません」
「え?他にお客いるの?」
スペードを選んでいたルカが目を見開く。
すると、ヴォルフがルカの肩にポンと手を置いた。
「ルカくん。オジイ様の旧友って、たぶん幽霊だよ」
「はあ!?マジで!?幽霊出るってこと!?無理無理無理っ!!カロン部屋かわって!」
「んー。いいぜー。幽霊が出る部屋なんて面白そう」
そんなこんなでルカと静理がダイヤの部屋へ。