EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「もちろんだよ。ウィジャボードもあるけれど、エリザベータに頼もうか」
ダンクラートが穏やかに妻を見る。
「ではエリザベータ。すまないが皆様のお母上を呼んできておくれ」
「ちょいちょい待った!そんな説明じゃ俺のお袋まで連れてきちまうだろ。やめてくれ」
カロンが焦って言うが、もう遅い。
「ああ…すまないね。もう行ってしまったみたいだ」
「マ、ジ、か…」
この世の終わりのような表情で青くなるカロン。
ぷるぷる震えて彼は宣言した。
「逃げる…。もしあいつが来たら全力で逃げるぜ俺は…!」
「落ち着いてカロン。本当に来るかなんてわからないんだし」
そう言ってカロンを安心させようとする静理だが、その口調はどこか自身に言い聞かせているようだ。
「おや、いらっしゃったようだね」
「早っ!」
ルカが叫んだ瞬間だった。
ゾクリ――。
(な、に…?部屋の空気が…)
ヒンヤリしてきたのは気のせいじゃないだろう。
肩をふるりと震わせる小鳥に気づき白魔がそっと抱き寄せてくれる。