EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「何か来たね…」
耳元で聞こえた白魔の囁きに小さく頷いたその時。
『だーれだ』
ルカの視界を透明な手が覆った。
「うわああっ!?」
口から心臓が飛び出す勢いで悲鳴を上げ、後ろを振り返る。
するとルカはクスクス笑う透明な女性を認めた。
『相変わらずイジリがいがあるわね~。ルカ』
「へ?この声って…」
透明なので色はよくわからないが、肩まであるストレートの髪をふわふわと宙に漂わせているその女性を見つめ、ルカは口をあんぐりと開ける。
「母さん!!?」
「母様!?」
『イエーイ!』
「ノリ軽っ!つかマジで母さん!?て、うおおっ!!足がない!!」
立ち上がって幽霊の母親に近づくルカとオーレリアン。
(ルカくんのお母さん!?本当に来ちゃった!)
目に見える幽霊に小鳥もビックリだ。
ソファーに座ったまま呆気に取られてルカ達を見つめる。
「母様ぁ!!」
『あらあらオーレリアン。久しぶりね。大きくなっても可愛いわ~。大好きのぎゅう!』
ハグしようとしたマリアンヌだったが、彼女の腕はオーレリアンの身体をスルリと抜ける。